善光寺(長野市)が4~5月、東京・両国の回向(えこう)院で東日本大震災や県北部地震の被災地復興を支援する目的で開いた「出開帳(でがいちょう)」の実行委員会は18日、善光寺事務局で記者会見し、収支報告を発表した。津波被害に遭った医療機関や寺院など11団体に出開帳の収益2650万円を支援金として贈る。 実行委によると、出開帳(23日間)の参拝者数は4万1293人。善光寺と回向院の負担金、奉納金、企業の協賛金などを合わせた収入は約1億5890万円。運営費、外部委託費などの支出は約1億3240万円。実行委員長の若麻績敏隆(びんりゅう)・善光寺寺務総長は会見で、支援金については「(使い道が)見える形での支援をしたいと考えた」と述べた。 支援先は、善光寺や回向院と交流のある団体などを選んだ。宮城県石巻市の市立病院開成仮診療所を管轄する同市病院局の渋谷仁一事務部次長は会見の場で500万円の目録を受け取り、「大変感謝している」と述べた。診療所脇に建設中の施設で使うリハビリ器具などの購入費に充てるという。 津波被害に遭った本堂を再建する如意山金剛寺(岩手県陸前高田市)、石巻市の高校生の奨学基金を運営する全国青少年教化協議会(東京都)、県北部地震で被害が出た下水内郡栄村、東京電力福島第1原発の作業員を支援するアプリシエイトフクシマワーカーズ(福島県いわき市)、被災地復興を支援する活動をしている地域創造基金みやぎ(仙台市)の関係者も会見に同席し、目録を受け取った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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