連合長野(中山千弘会長)は18日、長野市内で執行委員会を開き、企業の労働者の賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)を5年ぶりに要求、月給ベースで9500円を目安に賃上げを求める2014年春闘方針の素案を示した。連合本部が3日に決めた方針に沿った。加盟する産業別組織(産別)の労組の意見を聞いた上で、来年1月17日の地方委員会で決定する見通しだ。 要求額の内訳は、年齢が一つ上がるごとに自動的に賃金が上がる「定期昇給(定昇)」に相当する賃金カーブ維持分として4500円、ベア分として5000円。中山会長は会合で「全産別、単組が月例賃金にこだわって9500円を勝ち取る春闘にしたい。家計が潤うことによって経済も前に進める」と強調した。 13年春闘で連合長野は、定昇相当分を維持した上で給与総額の1%を目安に上積みを求めるとした。14年春闘では、連合本部が定昇分として月給の2%を確保した上でベア1%以上を求めるとしたのを踏まえ、県内の賃金データも基に要求額を算出。定昇制度のない中小企業があることや、要求の分かりやすさも狙って、具体的な金額を盛ることにした。 13年春闘に続き、年齢別の「到達水準」として▽25歳20万8千円▽30歳24万3千円▽35歳27万6千円▽40歳30万5千円―の目標額も設定した。いずれも13年春闘の要求より3千~6千円高い。 素案にはこのほか、男女間の賃金格差を労使間で把握して是正を図ることや、パートや派遣社員など非正規労働者の処遇改善のため、企業内の最低賃金協定の締結拡大に取り組むことも盛った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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