クリスマスまであと1週間。例年、家族や恋人、友人らへのプレゼントを買う人らでにぎわう県内の玩具店や宝飾店などの景気に対する受け止めはさまざまだ。「景気は上向き」と感じている店もある一方、大きな出費が予想される年末年始の9連休や来春の消費税増税を控えて手堅い客もおり、出足は「いまひとつ」とする店も少なくない。 松本市のトイザらス松本店では、12月に入り、週末はレジに行列ができるという。売れ筋は子ども向けのタブレット端末。1万5千円~2万円の商品が売れており、店長の辻田剛さん(42)は「ボーナスが上がっているのか、クリスマスだから奮発するという親もいる」。一方、飯田市の長野屋玩具店でもスマートフォンを模した玩具などの人気商品は売れているが、全体の売り上げは伸びていない。社長の長沼勇治さん(53)は「量販店やネット販売優位の状況」と分析しつつ、「クリスマスだからこそ期待したい」とする。 松本市のパルコ松本店内にある宝飾店では、プレゼント用に品定めをする男性やカップルの姿が目立ち始めた。同市岡田の団体職員男性(41)は「ボーナスは例年通りで景気回復はあまり感じない」としつつ、妻へのピアスを約2万円で購入した。パルコ松本店によると、館内の宝飾・アクセサリーの5店舗では4万~5万円台の品物が売れており、昨年より高めという。 長野市の宝飾店の男性店長(38)は「購買意欲が刺激されているというほど、景気の上向き感はない」。お金を旅行にかける人が増えている印象があるといい、「年末年始の長期連休が影響している可能性もあるかもしれない」と話す。店長は、今週末の3連休が「勝負どころです」。 21~24日にレストランで1人4500円のクリスマスディナーを提供する松本東急イン(松本市)は、カップルや家族連れで毎日10人ほどの予約が入っているという。担当者は「年末年始に長期休暇があることを考えると、意外とお客さんは動いている」。上水内郡飯綱町で地鶏を生産している信濃農園では、一般的な鶏肉より割高な骨付きもも肉70本の注文が急きょ入ったといい、社長の山浦忠司さん(50)は「景気回復の影響があるのかもしれない」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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