長野市で障害者施設12カ所を運営する社会福祉法人「信濃の星」(長野市川中島町今井)は23日、創立15周年記念イベントを市内で開いた。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」の題字を揮毫(きごう)したダウン症の書家金沢翔子さん(28)=東京=が訪れ、書道パフォーマンスを披露。母親で書家の泰子さん(70)が、障害がある子どもを育てる葛藤と喜びを講演した。 縦2メートル、横1メートルほどの和紙2枚の上で、翔子さんは両手で持った大型の筆を慎重に運び、「慈」と「愛」の2字を書いた。雅号の落款を押し、「元気とハッピーと感動を(届けようと)心を込めて書きました」と話した。 泰子さんは、翔子さんが生後52日目にダウン症と告知された当時を回想。悲嘆して一時は「死ぬことも考えた」が、翔子さんが健やかに育つ中で「光が見えてくる」と思うようになったと強調した。 信濃の星は1998年、任意団体「長野障害者自立支援センター」として設立し、2004年に現在の組織に衣替えした。今回は、法人スタッフが知人を通じて金沢さん親子に出席を依頼し、実現したという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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