長野市の善光寺で28日午前、年末恒例の「おすす払い」があった。善光寺一山の住職や事務局職員ら約70人が本堂に集まり、1年分のほこりを落とした。 本堂内々陣にある仏具を移動し、住職らは長さ5メートルほどのほうきを使って、天井から下がる飾りに付いたほこりを取り除いた。畳のほこりは、9人が横一列に並び、前に進みながら棒でたたき出した。 午前10時15分ごろには、普段は閉じている本堂北側の扉が開かれ、本尊が納められた厨子(ずし)を住職らが掃除する様子が外から見えた。毎年この時しか見られない光景で、参拝者らが手を合わせたりして見守った。 初めておすす払いを見た長野市栗田の公務員三浦悟さん(46)は「歴史のある行事を間近に見ることができた」。年末年始の行事を取り仕切る堂童子当役(どうどうじとうやく)の若麻績春実(しゅんじつ)・正信坊住職(62)は、東北地方で東日本大震災からの復興が十分に進んでいないとし、「来年はいい年になるよう願っている」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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