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信州産の丸太、海を渡る 直江津港経由で中国へ

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 県森林組合連合会(長野市)は2月、新潟県上越市の直江津港から中国へ県産の丸太(原木)を輸出する。曲がっていたり細かったりして建築材に向かない「低質材」の販路を広げる試み。中国内での旺盛な木材需要と円安傾向などの影響で、国内で販売するより輸出価格が高くなっているため。同連合会によると、信州産の丸太の輸出は初めて。  出荷は、同港に近い地域が管内の北信州森林組合(中野市)と栄村森林組合(下水内郡栄村)が中心になる。同連合会などによると、今回輸出するのはスギやアカマツ、カラマツ計1800立方メートル。貨物船1隻でアモイ(福建省)に輸送する予定で、既に直江津港に出荷を始めている。丸太は中国で加工され、梱包(こんぽう)材や家具などに使う合板の材料になるという。  森林の間伐に対する国の補助制度が昨年度、木を山から搬出した量に応じて増える仕組みに変更されたことに伴い、これまでは伐採しても現場に放置されていた低質材が搬出されるようになり、木材の生産量が増えた。  農林水産省のまとめだと、2012年の県内の丸太生産量は36万4千立方メートルとなり、前年から10%以上増加。北信州森林組合によると、直径13センチ以下の細い木材の価格は5年前の半値に下落した。北信州は豪雪地帯のため曲がった木材が多く、低質材の販売先の確保が課題となっている。  北信州森林組合の堀沢正彦業務課長代理は「低質材の主な販売先は製紙業者だが、供給の増加と紙の需要減が重なり、低質材の販売先を見つけるのは難しい」と説明。中国への輸出について、「円安の影響もあって価格は国内で販売するより高く、直江津港までの距離が近いため、輸送コストも削減できる」としている。  同連合会に輸出を提案した静岡市の業者によると、来年度は直江津港から貨物船3~4隻分を上海など中国の需要がある地域に出荷することを計画しており、信州からの輸出量は、本年度(2月の1隻のみ)より大幅に増える見込みだ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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