県警地域課は6日、昨年1年間に発生した山岳遭難件数と遭難者数が、統計のある1954(昭和29)年以降最多の300件、328人に上ったと発表した。前年比46件、49人増で、2010年から4年連続で過去最多を更新した。遭難が300件、遭難者が300人を突破したのは初めてで、同課は「県と連携して、登山の危険性を伝え、しっかりとした計画を立てるよう呼び掛けていきたい」としている。 県警地域課によると、昨年の山岳遭難者数のうち、死者は65人、行方不明者は9人、けが人は161人、無事救出は93人だった。発生状況別では、転落、滑落が最多で全体の3割余りの102件。転倒の71件が続いた。転落、滑落の事故は下山時の発生が多く、同課は「疲労などが原因で、計画段階から自分の体力に合った山を選んでいない場合が多い」としている。 年齢別で最多は60代の101人。50代が56人で続いており、中高年の事故率が引き続き高かった。 一方、年末年始(昨年12月29日~今年1月3日)の山岳遭難事故は前年同期比1件増の8件で、死者はなく、行方不明者が1人だった(前年同期は1人死亡、行方不明3人など)。北アルプス槍ケ岳に単独で向かった広島県の山岳ガイドの男性(65)が行方不明となり、1月2日に男性の所属する山岳会が松本署に届け出た。(長野県、信濃毎日新聞社)
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