過去に悪質な訪問販売で布団を買った人などから、県内の消費生活センターに「再び高額な布団の購入を迫る訪問販売があった」との相談が相次ぎ、4月から9月末までに計30件に上ったことが7日、分かった。前年同期のほぼ倍で、エビ養殖事業や未公開株への投資などの詐欺被害者からの相談もある。県消費生活室は、訪問販売や詐欺の被害に遭った人の名簿が流出している可能性が高いとみている。 高額な布団を訪問販売で購入したり、購入を迫られたりした人からの相談は前年同期比で13件増。「訪問販売が来ないよう証明書をつくる」などとかたり、現金をだまし取られたという人もいた。相談者は主にお年寄りという。 訪問販売で高額な布団を買ったことがある南信地方の80代女性は9月下旬、消費生活センター職員を名乗る男の訪問を受け、「布団の訪問販売が来ないよう手続きをする」と言われ、手数料として130万円を後日訪れた男に渡してしまったという。 こうした「2次被害」の相談は、9月末までに計226件。投資会社ワールドオーシャンファームによるエビ養殖投資詐欺事件の被害者からの相談が9件(前年同期比7件増)など、特定の事件の被害者が狙われているとみられるケースも目立っている。 県警振り込め詐欺対策室は、詐欺被害者の名簿が犯罪グループ間で売買されるなど、個人情報が流出している―と指摘。「一度流出すると食い止めるのは難しい。まず近くの人に相談して」と呼び掛けている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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