安曇野市堀金烏川の木工所経営小林健男さん(64)が、樹齢300年余で重さ約400キロの巨大なケヤキの切り株を使った臼の製作に取り組んでいる。35年に及ぶ臼作りの中で「これ以上のものはない」といい、一生に一度の大作になると意気込んでいる。 「これまで数千本見てきた中で最高のケヤキ」とほれ込み、3年前に県内で手に入れ、自然乾燥させてきた。木肌はしわで覆われ「風雪に耐えたのがよく分かる」。下部は直径2メートル、切り口は同1・2メートルで楕円(だえん)に近い形。根の形はそのまま生かすという。 今月から作業を開始。7日は屋外の作業場で、チェーンソーやのみを使い加工を進めた。横や逆さまにする際はクレーンも使う予定。1カ月余で仕上げて12月中に県内のホテルに納め、正月用に間に合わせる。 小林さんは「ケヤキに感謝し、木が幸せになるよう家族のような気持ちで仕上げていきたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧