民主党の羽田雄一郎国土交通相(45)=参院県区=が次期衆院選で、長野3区から出馬したい意向を党県連側に伝えたことが7日、複数の関係者への取材で分かった。党の世襲制限基準がある中、転身すれば、14期目の今期限りでの引退を表明している父、羽田孜元首相(77)=党最高顧問=の後継となる。 羽田国交相はこれまで衆院への転身について態度を明確にしていなかった。世襲制限をめぐり、「議員でない子息が後継になるのと違い、実績のある参院議員の衆院転身は基準に触れない」と主張する県連側が今後、党本部への働き掛けを強めるとみられる。 党が2009年に決めた世襲制限基準は、現職国会議員の配偶者や3親等以内の親族が、引退直後の選挙で同一選挙区から立候補する場合、公認しない―とする内容。 基準の決定当時、幹事長だった岡田克也副総理は「世襲制限に例外はない」とし、10月9日の記者会見では「もし違う結果を党として出すというなら、国民に対して説明する責任が生じる」と述べた。一方、輿石東幹事長は、羽田国交相の転身を県連が正式に推すのであれば、党として検討する姿勢。党内では「勝てる候補を擁立すべきだ」との意見も浮上している。 関係者によると、羽田元首相の後援会「千曲会」幹部も国交相の意向を把握。同会では後継に国交相を推す声が多いが、他にも複数の名が挙がっており、慎重に調整するとみられる。国交相は信濃毎日新聞の取材に対し「何も話すことはない」としている。 羽田国交相は元首相の長男。玉川大学卒業後、元首相の秘書などを経て1999年参院県区補選で初当選し、現在3期目。6月の内閣改造で初入閣した。 長野3区では自民党の木内均氏(48)、共産党の岩谷昇介氏(59)、みんなの党の井出庸生氏(34)の新人3氏が出馬表明している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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