創部61年余になる北安曇郡白馬村の白馬高校スキー部が、16日から村内で開催される第36回県スキー大会週間に向けて熱のこもった練習を重ねている。2月のソチ冬季五輪では同校卒業生の出場と活躍が期待されているが、スキー部員は生徒数減少などに伴って減少傾向にある。県スキー大会週間は2月の全国高校スキー大会(インターハイ)予選も兼ねており、予選突破とその先のインターハイ男女総合優勝で、全国に学校をアピールしたいと意気込む。 スキー部は開校翌年の1952(昭和27)年度の創部。インターハイ男子総合で2位と3位が計4回、女子総合で4回優勝している。スキー部を含めて同校からは、フリースタイル女子モーグルの上村愛子選手(北野建設)、ノルディックスキー複合の渡部暁斗選手(北野建設)ら計9人の五輪、パラリンピック選手を輩出し、ソチ五輪でも出場が有力視されている。在校生でもジャンプ女子で2年の山田優梨菜選手が五輪出場を目指して挑戦している。 だが、少子化やスキー離れ、道具費や遠征費の負担などで部員数は減少し、1980年代に約60人いた部員はここ数年20人台だった。インターハイ総合の成績も2009年の男子2位以来、表彰台から遠ざかっている。 同校の生徒数は現在154人。募集定員割れが続き、県教委の高校再編基準で分校化や他校との統合などが視野に入る危機にある。それでも、12年度に12人、13年度に19人が入部して、現在は36人となり、08年度の35人以来30人を突破した。1年生でクロスカントリーの高橋飛悠君(16)=北安曇郡白馬村=は「環境に恵まれ、地域の支援が手厚い地元校への進学に迷いはなかった。スキー部の成績を上げれば、高校の知名度向上につなげられる」と話す。 副主将でアルペンの平川成美さん(18)=3年、同郡小谷村=は「地元の期待に応え、高校存続のためにも活躍したい」。主将でジャンプの塩島槙人君(18)=3年、白馬村=は「先輩たちが築き上げてきたスキー部の強さを示したい」と張り切る。 創部時の部員で「白馬高校スキー部をサポートする会」会長の丸山庄司さん(80)=白馬村=は「子どもたちの健闘が村のスキー産業や住民に活力を与えてくれる。悲願のインターハイ男子総合優勝、男女総合優勝を果たしてほしい」とエールを送る。(長野県、信濃毎日新聞社)
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