幕末から明治期に伊那谷を放浪した俳人井上井月(せいげつ)の顕彰会(伊那市)は14日、井月の命日(3月10日)にちなんだ初の「井月忌の集い」を3月9日に都内で開くと発表した。俳句大会や講演会などで井月の作品や生き方を紹介。伊那市で昨年始めた「千両千両井月さんまつり」とともに継続的に開催し、井月の魅力を全国に発信する狙いだ。 集いは伊那市や都内の顕彰会員らでつくる実行委員会が主催。俳句大会は、一般参加者が井月を詠んだ句など2作品を投句し、俳句結社の主宰者ら13人が特選句などを選ぶ。講演会では映画「ほかいびと 伊那の井月」の北村皆雄監督(伊那市出身)、信濃毎日新聞にエッセー「井月をめぐる旅」を2011年4月~12年3月に連載した俳人の相子智恵さん(飯田市出身)が話す。 井月をめぐってはここ数年、ほかいびとの公開や岩波文庫版の句集出版などが続き、作品や生涯の研究が進む。顕彰会は昨年3月、初の「井月忌句会」を伊那市で開催。首都圏と伊那谷の俳人が句を披露し合った。同9月のまつりは8日間にわたり、酒を詠む句会、ほかいびとの上映、企画展などを繰り広げた。 顕彰会は、まつりと集いの両輪で俳句愛好者以外にも井月への関心を広げていく考え。堀内功会長(93)=東京=は「井月を通じて伊那と東京の交流を深め、伊那谷に多くの人が訪れるようにしたい」と話している。 集いは千代田区の「アルカディア市ケ谷」で午後1時半から。参加費千円。4時半から懇親会(参加費5千円)もある。問い合わせは顕彰会東京連絡事務局(電話03・3341・6975)か顕彰会事務局(電話0265・98・0117)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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