伊那市西箕輪羽広の農業公園「みはらしファーム」で19日、どんど焼き「せいの神」があった。昨年末から園内に飾られていた2014本の「〆(しめ)の子」や小正月の飾り「ほんだれさま」、各家庭が寄せた正月飾りなどを積み上げ、長い竹を立てたやぐらの高さは15メートルほど。点火すると大きな炎が上がり、集まった人たちが無病息災を願った。 熱気で顔を赤くした子どもらは、煙に目をしばたたかせながらも楽しそう。火が弱まるまで1時間以上待ち、残り火で餅をあぶって食べた。 西箕輪中1年の宮下尚汰君(13)は「バスケ部で試合に勝ちたい」と願いを込め、「不言実行」の書き初めをくべた。工作が好きという西箕輪小6年宮下隆樹君(11)はコメと水を入れた空き缶を棒につるしてご飯を炊き、「いろいろ作れて楽しかった」。 同公園の小沢辰夫事務長(62)によると、せいの神は五穀豊穣(ほうじょう)の神「歳神様(さいのかみさま)」がなまったものと伝わる。地元では「羽広獅子舞」が奉納されるまで正月飾りを飾る慣習があり、どんど焼きの時期が比較的遅めという。小沢さんは「農業にまつわる信仰も守っていきたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧