県建設業厚生年金基金(長野市)の多額横領事件で、業務上横領の罪に問われた元事務長坂本芳信被告(56)の初公判は21日、長野地裁で開かれる。これまで2回にわたり起訴された計約2億円分の横領について罪状認否、検察側冒頭陳述などが行われる予定。坂本被告は、同基金で2005~10年に発覚した23億8730万円の使途不明金について全額の横領を認めており、初公判では横領に至った動機、使途などがどこまで明らかになるかが注目される。 坂本被告の弁護人によると、同被告は初公判で起訴内容を認める方針。 起訴状によると、同基金事務長兼出納員として資産管理や運用委託先への送金などを担当していた坂本被告は、10年5月10日、長野市の金融機関で同基金名義の口座から1億3330万円余を引き出し、うち6240万円を横領。同様に10年6月3日に6820万円、同年7月5日に6440万円をそれぞれ横領したとされる。 坂本被告は今月6日、タイへの逃亡直前の10年8、9月に同基金の資金計約1億2千万円を着服した業務上横領容疑で3度目の逮捕をされ、勾留中。県警はほかの余罪についても裏付けを進め、順次追送検する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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