下諏訪町木遣(きやり)保存会は19日夜、今年最初の木やり唄の練習会「初鳴き」を、諏訪郡下諏訪町の諏訪大社下社春宮境内で開いた。昨年9月に新設した「子どもの部」所属の小学生7人も、大人の木やり師に交じって初鳴きに初参加。2016年の諏訪大社御柱祭に向け、総勢約30人が声を響かせ、決意を新たにした。 木やりは御柱祭でモミの巨木を曳行するために欠かせない。今春は本番を前に、下社に建てる御用材を正式決定する「本見立て」でも、木やりの披露を予定している。 午後7時に境内に集まった会員は、白い息を吐きながら発声練習。横一列に並び「山の神様お願いだー」などと、高音で独特の節回しの唄を繰り返し歌った。ベテラン会員は「大きな声じゃないと御柱は動かないぞ」と子どもたちを叱咤(しった)激励。子どもたちは金色のおんべを掲げ、懸命に声を振り絞った。 子どもの部には町内の小学生20人が所属し、週1回の練習に参加している。下諏訪南小5年の今井稜太君(11)は「息切れしちゃうから、もっと空気をいっぱい吸いたい」。部の発足で20代までの若手会員が数倍に増えたといい、小松直人会長(63)は「自分の声で御柱を動かす体験を通して、木やりを継承する大切さを知ってほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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