「よくやった」「おめでとう」。全国都道府県対抗男子駅伝のゴール地点、広島市平和記念公園前には19日、同市などで暮らす長野県出身者たちが駆け付けた。長野のアンカー矢野圭吾選手(22)がゴールテープを切ると、県歌「信濃の国」を合唱して選手たちを祝福。県内ではテレビでレースを見守った人たちが「強い長野の復活」を喜んだ。 矢野選手は2位以下を大きく引き離してゴール。主将の上野裕一郎選手(28)ら、待ち受けたメンバーと抱き合ってそれぞれの走りをたたえ合い、高見沢勝監督(32)を胴上げした。 「5年ぶりに『信濃の国』を歌えた」。広島市在住で在広島信州県人会長の深沢禧昌(よしまさ)さん(79)=安曇野市出身=は、会員ら仲間約20人と共に広島の空に歌声を響かせ、「ここ数年、優勝を逃して歌えずにいたが、辛抱したかいがあった」と笑った。夜は広島市で祝賀会を開き、京都、名古屋などの県人会員も含め80人以上で優勝を祝った。 下伊那郡松川町出身の矢野選手は昨秋、教育実習で地元に戻った際、県縦断駅伝飯田下伊那チームの練習に参加した。同チーム監督の宮沢修さん(48)=下伊那郡泰阜村=は19日、テレビで観戦し、早めの仕掛けで他選手を突き放した矢野選手のレース運びに「動けていた。ナイスランと声を掛けたい」。 同駅伝全佐久チーム監督の木内範明さん(47)は佐久市の自宅でテレビで優勝を見届け、佐久長聖高生ら地元選手の活躍を喜び「強い長野が復活した」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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