東筑摩郡筑北村の女性グループ「坂井郷土食研究会」が、郷土食「やしょうま」作りの最盛期を迎えている。同会のやしょうま作りには25年余りの歴史があり、鮮やかな色と繊細な絵柄で知られている。会員は22日も前日早朝から仕込んだやしょうまを切り分け、出荷の準備に忙しそうだった。 同会によると、やしょうまは釈迦(しゃか)が亡くなった日の法要「涅槃会(ねはんえ)」の供え物で、主に北信地方や松本平に伝わる。同会は例年12月末~3月に食品問屋や村内の直売所、寺などに出荷している。 同会が一度に使う米粉は30~40キロ。熱湯を注いで練ってふかす。生地は赤や緑、黄、紫などの食紅で着色し、円柱状にして出来上がりの絵柄を想像しながら重ね合わせる。重ねた円柱は直径20センチほどにもなるが、体重をかけて転がしながら直径約5・5センチになるまで伸ばす。一晩置いた後に厚さ1センチ程度に切って出荷する。 同会会員は60~70代の12人で、梅とウグイス、ヒマワリ、コスモス、バラなど、それぞれが得意とする絵柄があるという。色の濃さ、花の数などをアドバイスし合いながら円柱を作り、22日にやしょうまを切ると色とりどりの模様が現れた。村内の保育園や学校からはアニメキャラクターや校章の依頼もあるという。 筑北村坂井の玉井アイ子会長(81)は「どんな絵柄になるか想像しながら作るのがこつ。目で楽しみながら味わってほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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