サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本実行委員会は23日、松本市で開く今夏のフェスで上演するオペラ「ファルスタッフ」の製作発表記者会見を都内で開いた。小澤征爾総監督(78)と、オペラを指揮するイタリア出身のファビオ・ルイージさん(55)が出席。小澤さんはルイージさんについて「素晴らしい指揮者。来てくれて本当にうれしい」と語った。 小澤さんは「(オペラの指揮を)するつもりだったが、去年の5月時点の健康状態じゃやばいと思って彼にお願いした」と説明。総監督の仕事については「心配性の塊のようなもの。切符の売れ行きまで心配する。だけど神様がくれた(機会だ)と思っている」と、意欲を示した。 ルイージさんは米メトロポリタン歌劇場の首席指揮者、スイス・チューリヒ歌劇場の音楽総監督。SKF松本は初出演で、「世界でも最高レベルの音楽祭。緊張しているが、招いていただきとても光栄」と話した。 ファルスタッフはベルディ作曲で、SKFでは2003年に上演した。老騎士ファルスタッフが裕福な夫人2人に恋文を出したことをきっかけに展開する喜劇。「最も好きなオペラ」というルイージさんは、「ファルスタッフはひどい人間だが誰も彼を憎まない。彼が何にも縛られていないから」と魅力を語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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