上水内郡信濃町議会の町住民投票制度・条例調査特別委員会(10人)は9日、昨年12月定例会で議員提案された常設型の住民投票条例案を採決し、賛成多数で可決した。9月定例会の本会議でも可決される見通し。町によると、県内では小諸市と木曽郡木曽町で常設型住民投票条例が制定されている。 昨年12月定例会では、町民の直接請求による常設型の住民投票条例案を否決。それを受け、議員側が不備とされた内容などを見直して新たな条例案を提出した。住民投票制度や条例の必要性をはじめ、全23条の条文を個別に審査。12、3、6月定例会で継続審査になっていた。 9日の特別委では、「(住民投票は)議会制民主主義の否定ではなく、間接民主主義の補完だ」などと賛成する主張の一方、「今の時点で住民投票が必要な重要事案は発生していない」といった意見も出た。欠席委員が1人で、委員長を除く8人で採決した結果、賛成5人、反対3人だった。 条例案を提案した議員は「住民自治の高まりを無駄にすることなく、町民の大きな権利の拡大につながる。時間をかけ、細かいところまで議論ができたと思う」と評価。これに対し、町民の直接請求の条例案には「常設型は必要ない」との意見書を付した松木重博町長は「町政へ民意を反映できる一方で、混乱につながる恐れもある」と、あらためて慎重な姿勢を示した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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