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「さなだそば」実際の味は 池波正太郎さんの短編小説に登場

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 作家池波正太郎さん(1923~90年)の作品を映像化した「鬼平外伝 正月四日の客」を見て、登場する「さなだそば」を食べる会が25日、上田市大手の上田温泉ホテル祥園であった。市内外の約60人が参加。同市に住居がある時代考証家山田順子さん(60)=東京都渋谷区=による作品解説を聞いた後、そばを味わった。  この日見た映像は、池波さんの短編小説集「にっぽん怪盗伝」の中の「正月四日の客」に基づく。江戸のそば店「さなだや」が毎年1月4日だけ提供する、つゆが辛いさなだそばを気に入った盗賊と店主の交流を描いた。日本映画衛星放送(東京)などが2012年に制作した。  山田さんによると、池波さんは取材で上田を訪れた際に、辛味大根を使ったそばを味わったとみられる。山田さんは祥園でさなだそばを提供するよう提案し、12年冬に商品化された。今回の会は、上田の歴史や文化をテーマにした映像作品の制作を目指す「上田映像塾木屋平(きやひら)組」と山田さんが一緒に企画した。  山田さんは作品解説で「つゆに大根おろしを入れると、そばのつるつるとした食感を味わえなくなるので、箸で絞っておろし汁だけを入れるのが江戸時代の通の食べ方だった」などと話した。  参加者は、埴科郡坂城町の「ねずみ大根」と上田市の「山口大根」のおろし汁につゆを加え、県内産のそば粉を使った盛りそばを味わった。同市古里(こさと)の会社員滝沢明さん(61)は「盗賊が食べに来たそばを早く食べたかった。おいしいです」と頬張っていた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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