県警組織犯罪対策課と中野署、栃木県警の合同捜査本部は1日、国の免許を受けずに顧客から集めた現金をタイに送金していたなどとして、銀行法違反(無免許営業)容疑でタイ国籍の女3人と日本人の男1人、犯罪収益移転防止法違反容疑でタイ国籍の女1人を逮捕した。 銀行法違反容疑で逮捕されたのは、宇都宮市在住でタイ国籍の無職スズキ・ネナパー(54)と夫で日本人の鈴木登(62)、ともにタイ国籍で中野市中野の無職モチヅキ・ブサラポン(40)、上高井郡小布施町雁田の無職スズキ・ガンチャニー(55)の4容疑者。押収した口座などから、4人は少なくとも10年ほど前から犯行を繰り返し、送金額の総額は約18億円以上あるとみられるという。 4人の逮捕容疑は、共謀し、2012年8月28日ごろから昨年2月26日ごろの間に、国の免許を受けずにタイ人らの複数の顧客から預かった総額約71万円を14回にわたり、顧客が指定するタイ国内の金融機関口座に送金した疑い。ネナパーとブサラポンの両容疑者は容疑を認め、鈴木とガンチャニーの両容疑者は否認している。 県警組織犯罪対策課によると、4人は通常料金のほぼ半額となる約2千円の手数料で顧客から海外送金の依頼を受け、通常なら1週間ほどかかる送金を、現地のグループを使って依頼日当日に顧客が指定するタイ国内の指定口座に振り込ませていた。顧客は長野を含む20都道府県で約370人が確認された。 犯罪収益移転防止法違反容疑で逮捕されたのは、茨城県稲敷市在住でタイ国籍のマッサージ店経営プレエゴエン・ソーピット容疑者(45)。自分の子ども名義の通帳などを何者かに譲り渡した疑いがあり、口座は今回逮捕した4人グループが使ったという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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