県内に30カ所ある自動車教習所でことし10月末までに、教習中に16件の人身事故が起きていたことが9日、県警への取材で分かった。自動二輪車教習中の事故が11件を占め、このうち1件は10月19日に須坂市の「ドリームモータースクール須坂」で女性の教習生が死亡した事故。県警はこの事故を踏まえ、全教習所にあらためて教習環境の整備などを指示したとしている。 県警東北信運転免許課によると、死亡事故以外の自動二輪車教習中の事故は教習所内で教習生が転倒したケースが多く、けがはいずれも軽傷。四輪車教習中の事故は5件で、いずれも教習所外の路上教習中に発生し、教習生らがけがをした。 ドリームモータースクール須坂の事故で死亡したのは、46歳の会社員女性。指導員と2台で教習所内のコースを走行中、いったん停止した後に急発進してコースを外れ、教習生用の待合室に衝突、全身を強く打って死亡した。事故があったのは計17回の教習のうちの6回目で、須坂署は女性の運転ミスが原因とみている。 一方、同課はこの事故を受け、教習コース脇の危険箇所へのクッション設置、車両点検の徹底の他、教習生の習熟度を指導員間でよく引き継ぐことなどを各教習所に指示した。同課の辰野学次長は「教習所での死亡事故はあってはならない。指導監督する立場として対策を講じたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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