今期限りでの引退を表明している民主党の羽田孜元首相(77)=衆院長野3区=の後援会「千曲会」は10日、上田市内で正副会長会を開き、元首相の後継選びについて協議した。長男で同党の羽田雄一郎国土交通相(45)=参院県区=が3区へ転身したい意向を党県連側に伝えている中、転身が党の世襲制限基準に当たるかどうかについて党本部の回答を待たず、独自に後継者を選ぶ方針を決めた。 千曲会は23日に元首相後継を選ぶ検討委員会を開き、雄一郎氏に正式決定する見通し。正副会長会終了後に記者会見した佐藤圭司会長は「(次期衆院選に向け)風雲急を告げる情勢の中、いつまでも待っているわけにはいかない。後援会としての考えをまとめなければならない」とした。 一方、雄一郎氏を元首相の後継とすることについて佐藤会長は、千曲会内では特に異論はないとした上で「世間では、世襲とみる人もいるだろうと心配する会員はいる」と説明。会が雄一郎氏を後継に決めた場合でも、党が世襲制限で公認しない可能性があるが、「党とけんかをするわけではない。これまで通り、党と相談して決めるという姿勢だ」と話した。 千曲会の方針について雄一郎氏は10日、信濃毎日新聞の取材に「私を政治家として育てていただいている千曲会の正副会長会からそのような声が出ていることに、感謝を申し上げる」と述べた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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