新潟県境の北安曇郡小谷村大網(おあみ)で8日夜、「大網雪と火の祭り」が開かれた。村内外の男衆約20人が鬼役を務め、みのを着たふんどし姿でたいまつを持って「うおー」と雄たけびを上げながら炎の回りを駆け回った。雪と寒さを吹き飛ばし、雨飾山に五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈った。 豪雪地帯として知られる大網だが、この日の積雪は10センチほどと大雪の影響は少なかった。鬼たちは、初めて巫女(みこ)役に挑んだ飴(あめ)千尋さん(31)=小谷村千国乙=をみこしに載せ、公民館から近くのグラウンドに設けた祭壇まで運んだ。巫女の舞いなど神事の後、かやで作ったどんど焼きに火が付けられると、鬼たちが心のままに叫んで踊った。 祭りは1974(昭和49)年から始まった。司会進行は祭りを始めた世代が担ってきたが、今年は、これまで鬼役だった村職員竹田一雄さん(48)が引き継いだ。竹田さんは「次の世代に祭りを引き継げるようにさまざまな体験をしたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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