下伊那郡阿南町などの地元料理を味わう催し「あなんの味大集合」が9日、同町町民会館で開かれた。1992年以来、22年ぶりの開催。町民や近隣の住民が作った総菜や菓子、漬物など約90品が並び、約150人が足元の食材を生かした味を楽しんだ。 町内の住民グループや町商工会女性部などの実行委員会が開いた。町のふるさと納税制度を活用し、寄付相当額の町内産米を贈る事業が昨年、全国から注目されたことに刺激されたという。 阿南町内からは、膳に載った和合地区の盆料理が提供されたほか、ジャガイモのエゴマあえ、ブリ大根なども出品された。同郡売木、泰阜、下條村の住民らも手作り料理を寄せた。集まった人は好みの料理を紙皿に取って味わった。試食した佐々木暢生町長は「この中からいくつか商品化したい」と話した。 地元料理の作り方を学ぶ教室もあり、同町新野の田嶋永子さん(78)らは、しょうゆや唐辛子を使った伝統のたれ「おからみ」の調理法を指導。豆腐やこんにゃくに合うといい、「地元の味を多くの人に知ってほしい」。おからみ用の豆腐を作った泰阜村平島田の佐々木千代さん(74)は「高級食材ではなくても、おいしい料理ができることを分かってほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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