松本市教育委員会は2014年度、国宝松本城天守について初の耐震診断を3年計画で実施する。解体はせず、外観から得られる情報に基づく耐震基礎診断で、市は12日発表した14年度松本城特別会計当初予算案に1457万円を盛った。 耐震診断は、国の重要文化財(建造物)耐震診断指針に基づき、11年6月30日に市内で最大震度5強を記録した地震で天守が被害に遭ったことなどを受けて計画。費用は国庫補助を65%受ける。 診断結果を受けて、市教委は17年度以降、国と協議して耐震対策を施す予定。松本城管理事務所は「国内外から訪れる大勢の観覧者の安全を確保し、文化財的価値を守るため、診断に基づき補強案を作る」としている。 11年6月の地震で天守内壁にできた数十カ所のひびは、12年度で修復を終えている。その際、被害を受けた埋門南側の石垣は本年度に解体工事を終え、4月以降、積み直し工事に移る計画。市は14年度当初予算案に整備事業費5294万円を計上した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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