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長引くあずさの運休、除雪機関車脱線が原因 JR公表せず

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 JR中央東線小淵沢駅構内(山梨県北杜市)で16日、大雪を取り除く作業をしていた車両が脱線し、茅野―小淵沢間で列車が運行できない原因になっていることが18日、分かった。車両は除雪用のラッセル車ではなく、貨物列車をけん引する機関車で、JR東日本によると、14日以降の沿線全域の大雪に対応するラッセル車が足りなかったため使用した。同社は脱線の事実を公表していない。  JR東日本八王子支社(東京)によると、脱線は16日午後2時半ごろに発生。ラッセル車の代わりに比較的重量のある機関車を甲府―小淵沢間の除雪に利用した。小淵沢駅構内の下り列車用の線路で1メートルほどの積雪に乗り上げ、前の2軸が脱線した。18日夜も動かせないままになっている。  同支社によると、機関車を使った除雪は異例で、「緊急事態に対処するために使った」と説明。機関車を使った除雪は線路上から雪を押し出す方式で、車両前方の雪を押しのけて飛ばすラッセル車のような設備はない。雪で動けなくなった場合は人力で雪をかき、再び進行させる作業を繰り返していたという。今回の大雪では、甲府―塩山(山梨県甲州市)間、大月―初狩(いずれも山梨県大月市)間でも別の機関車で同じ作業をした。  JR東日本は16日、国土交通省に脱線を報告。JRの担当者は18日も現場を調査し、復旧作業の進め方や必要な機材などを検討した。八王子支社は、復旧の見通しは「まだ分からない」と説明している。  今回の復旧の遅れについては、脱線のほか、小淵沢より東京方面の除雪を優先したことも、小淵沢より長野県側の除雪が遅れている一因としている。  14日夕に新宿を出発した松本行き下り特急あずさ21号など14本が最長で18日まで山梨県内などの区間で足止めとなったが、JR東日本側が、あずさの乗客らに説明したのは17日夕になってからだった。脱線を公表しなかった理由について「他の除雪車両にも、倒れた木に接触するといった事案が多くあったため」としている。  あずさ21号は15日未明から石和温泉駅(山梨県笛吹市)に停車。乗客らは車内や近くのホテルで運行再開に向けて待機した。乗客によると、復旧見通しについてほとんど説明がないため、17日夕に駅側に説明を求めたところ、脱線について初めて説明したという。乗客らは18日にJR側が用意したバスで松本市や都内などに向かうなどした。  乗車していた県内の会社員は「きちんとした説明がないまま長時間待たされ続けた。仕事をキャンセルした人もいる。脱線と分かれば復旧に時間が掛かるのは想像でき、私たちもそれなりの対応ができたはずだ。なぜ、伏せたのか理解できない」と話す。八王子支社は「乗客の皆さんにはきちんと説明しきれずに申し訳ない」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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