あさま山荘事件、殉職警官を慰霊　一般参加も呼び掛け

　北佐久郡軽井沢町防犯組合連合会は２８日、「あさま山荘事件」で１９７２（昭和４７）年２月２８日に殉職した警察官２人の慰霊式典を、山荘があった場所に近い顕彰碑「治安の礎」の前で行った。会員や軽井沢署員ら約２０人が参列。事件を風化させないようにと初めて一般にも参加を呼び掛け、１人が参列した。 　連合赤軍の５人が人質を取って立てこもった事件では、銃撃戦で警視庁の内田尚孝警視長＝当時（４７）＝と高見繁光警視正＝当時（４２）＝が死亡。事件翌年に顕彰碑が建立された。 　一般参列者で軽井沢町発地の三瓶勁三郎さん（７３）は昨年、横浜市からあさま山荘があった場所近くに移住した。「事件の風化を感じるが、こうした場に出たくない人も心の中で手を合わせているだろう」と話した。 　警官隊が強行突入する際、クレーン車を運転して山荘の壁を破壊するのに協力した長野市の白田弘行さん（７６）も参列。「内田さんと最後に言葉を交わしたのが忘れられない。『狙われているよ。頭を出さないで』と声を掛けたら、『ありがとう』と言われた。その数秒後に撃たれた」と語った。（長野県、信濃毎日新聞社）