上高井郡小布施町が、住宅などの敷地内に放置された生活用品や壊れた家電製品が悪臭や害虫発生の原因となっている場合などに、町が住人や所有者に改善命令などを出し、従わなければ強制的に撤去できるとする条例案をまとめたことが28日、分かった。3日開会の町議会3月会議に提出する。同様の条例は県外の自治体では例があるが、県廃棄物対策課は「県内では聞いたことがない」としている。 環境省によると、廃棄物処理法は個人の敷地内の放置物にまで行政が強制的に対応することは認めていない。群馬県伊勢崎市や東京都足立区が同様の条例を制定しており、小布施町は伊勢崎市の条例を参考に案をまとめた。 条例案は、ハエ、蚊などの害虫やネズミの発生、臭気で近隣住民の生活に影響を及ぼしたり、廃棄物が火災の原因になりうる場合だったりする状態を「廃棄物等による不良状態」と定義。町がこうした状態を確認した場合は改善に向けた指導、勧告、命令ができ、従わない場合は土地所有者の氏名などの公表や行政代執行ができると定めている。 市村良三町長は取材に、5年ほど前から数軒の住宅で敷地内にごみが放置されているという苦情が町に寄せられていると説明。「これまでも改善をお願いしてきたが、対応してもらえなかった」とし、解決するため強制力を伴う条例を制定するのは「やむを得ない」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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