信州大(本部・松本市)が県内企業と協力して開発した信州製超小型人工衛星「ShindaiSat(シンダイサット)」(愛称・ぎんれい)は28日、鹿児島県・種子島の宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターからH2Aロケット23号機で打ち上げられた後、初めて発した電波が同日夕、長野市の信大工学部に届いた。 信大工学部では午後5時すぎ、プロジェクトを推進する中島厚特任教授や学生らがモールス信号を受信し、ぎんれいの側面温度やバッテリーの電圧などの情報を確認した。 ぎんれいは地上400キロの上空を約1年間にわたって飛行。この期間中、世界初とされる超長距離の「可視光通信実験」を行う計画だ。1日4回、日本の上空近くを通過する予定で、今後1カ月は電波で指令を飛ばし、ぎんれいの向きなどを制御する実験を続ける。 可視光通信実験は、衛星本体に搭載した32個の発光ダイオード(LED)を使用。データを可視光(目に見える光)の強弱に置き換え、地上で受信できるか確かめる。中島特任教授によると、本格的な実験開始は4月以降になる見通しだ。実験開始後、気象条件などがそろえば、ぎんれいの光は肉眼でも観察可能という。(長野県、信濃毎日新聞社)
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