全国のハクチョウ愛好家や研究者でつくる日本白鳥の会の本年度の研修会が1日、安曇野市で2日間の日程で始まった。北海道から山口県までの会員ら約60人が参加。6人がハクチョウの生態に関する研究成果などを発表した。安曇野市のアルプス白鳥の会が今年、発足から30年を迎えたため、研修会場となった。 山形県酒田市でハクチョウ観察を続ける元教員角田分(かくたわかつ)さん(66)は、コハクチョウとオオハクチョウの見分け方を説明。コハクチョウは下のくちばしの縁にピンク色の線があるとし、体格やくちばしの黄色と黒の模様で見分ける一般的な方法と合わせ、「98%識別が可能だ」とした。 日本白鳥の会事務局を務める北海道浜頓別町職員の小西敢(かん)さん(43)は、コハクチョウとオオハクチョウが求愛行動をした珍しい例を報告。昨季と今季に、同町のクッチャロ湖で2羽が寄り添って泳ぎ、求愛を意味する鳴き交わしをした様子を確認したという。ただ、「1カ月ほどで求愛行動は終わり、つがいにはならなかった」と話した。 諏訪湖でハクチョウの世話をする諏訪湖白鳥の会は、1974(昭和49)年に2羽のコハクチョウが初めて越冬してから40年の歩みを紹介。アルプス白鳥の会は、84年にコハクチョウ5羽が初飛来して以降の活動を報告した。 同会代表の原とみ子さん(79)は「ハクチョウの生態やさまざまな研究内容が聞けて良かった」と話していた。2日は安曇野市のハクチョウ飛来地、犀川白鳥湖と御宝田遊水池を見学する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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