「合併の総仕上げをして、元気な市をつくりたい」。無所属新人3人による激戦となった11日投開票の千曲市長選。初当選した前市参与の岡田昭雄さん(61)=森=は、長い行政経験を生かして来年合併10年を迎える市の活性化を目指すと支持者に誓った。 午後10時19分、SBCテレビの信毎開票速報が岡田さんの当選を伝えた。八幡の会場に「当選だー」と選対幹部の大声が響き、集まった約120人の支持者が一斉に立ち上がって「おめでとう」と抱き合った。5分後、岡田さんが会場入り口に現れ、一人一人と握手を交わした。 壇上に上がった岡田さんはうっすらと涙を浮かべて両手を突き上げ、「本当に、本当にありがとう。支援してくれた皆さんのおかげ」と振り返った。ただ、争点となった新幹線新駅誘致に話題が移ると表情を引き締め、「市民の中で議論し、子や孫の世代に必要なのか、しっかり考えたい」と話した。 午後11時10分ごろ、会場に岡田さんの当選を伝える信濃毎日新聞の電子版号外(PDF号外)が届き、手にした支持者はあらためて「良かったね」などと喜び合った。 2007年の前々回選の雪辱を期した会社社長の柳町博之さん(49)=鋳物師屋=の陣営は、鋳物師屋の会場に待機。落選が伝わると、60人余りの支持者から「えー」と悲鳴のような声が上がった。選対幹部と共に姿を現した柳町さんは「私の力不足で、皆さんの期待に沿えず申し訳なかった」と述べ、深々と頭を下げた。 元会社員の宇田川弘子さん(53)=中=の鋳物師屋の選挙事務所では、結果が伝わると集まった約40人の支持者から「あー」と落胆の声が漏れた。姿を見せた宇田川さんは「結果が出せなかったことを申し訳なく思う。私が新駅(設置)反対と訴えたことは意味があったと思う」とかみしめるように話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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