東筑摩郡麻績村の女性3人が、村の食文化を残そうと冊子「麻績の行事食と保存食」を発行した。やしょうまなどの「行事食」や漬物などの保存食をレシピとともに紹介。「麻績村の食文化には、脈々と受け継がれている知恵と工夫がある」などと伝えている。 3人は坂口和子(よりこ)さん(73)、若林泰子さん(74)、塚原さとみさん(54)。村の地域おこし協力隊員前田博史さん(29)が、2012年9月から編集などを手伝ってきた。 3人は子どものころ食べたおやつなどを思い起こして紹介する食を選び、「行事食」「保存食」「おこびれ(おやつ)」に分けて掲載。それぞれの由来や材料、作り方を写真数枚を使って説明した。 行事食は、手作業だった田植えの終わりを祝い、おむすびを苗とともに麦わら帽子に入れて供えた「苗ぼこ」など、今では見られなくなった食も載せた。坂口さんは「紹介したレシピは一例で、それぞれの家庭の味がある。本を見て若いお母さんたちが作ってくれたらうれしい」と話している。 計64ページ。県の地域発元気づくり支援金を活用し、千部作った。村内の学校や図書館に置く。問い合わせは麻績村村づくり推進課(電話0263・67・3001)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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