豪雨などで山が地下深部から崩れる「深層崩壊」の危険性がある中山間地で、住民たちが災害から身を守る方法を考える「土砂災害・深層崩壊から『命』を守る検討会」が、飯田市南信濃の池口・大島集落(37世帯82人)で始まった。避難方法などを検討するために市が初めて企画。初回の13日夜は住民ら約20人が集会所に集まり、地図を見ながら危険箇所や避難場所について意見を出し合った。 同市南信濃・上村には深層崩壊の危険度の高い場所が多いことが、国土交通省の調査で示されている。 この日は、過去の記憶から土砂崩れや鉄砲水などが起きた場所を挙げ、メモ用紙に書き込んで地図に貼り付けた。危険な場所が一目で分かるようにし、どうやって避難するかを考えた。 検討を進めると、集落の幹線道は土砂崩れで通れない恐れがあると判明。1人暮らしの高齢者が多いため、参加者からは「近所同士で相談して助け合うのがいい」との意見が出た。検討会について、参加した針間道夫さん(65)は「防災意識を高めるために効果がある」と話していた。 2回目は25日に予定。4~5月にも3回目を予定している。飯田市は今後、住民の意見を基に危険な場所や避難場所をまとめた地図を作成。住民たちは地図を使って防災学習を深めていく。(長野県、信濃毎日新聞社)
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