諏訪市博物館で15日、県宝「木造不動明王立像(りゅうぞう)」の特別公開が始まった。鎌倉時代前期の名仏師、運慶の流れをくむ「慶派」の作品とされ、諏訪市の仏法紹隆寺が所蔵。2月に修復作業を終え、輝きを取り戻した仏像を多くの市民らが鑑賞した。 眉をつり上げた憤怒の形相の仏像は高さ42センチ。2003年に県宝に指定された。昨年始めた修復作業で折れていた右手首を接合。炎のような形の「光背(こうはい)」を台座に据え付け直した。汚れも拭き取り、水晶でできた目玉は白目がはっきり分かるようにした。 同寺は修復に先立ち、博物館「神奈川県立金沢文庫」(横浜市)の協力で仏像をエックス線で調査。内部にへらのような形の「像内納入品」があるのを確認した。市博物館は「調査が進めばさらに価値が高まる可能性がある。きれいになった像を多くの人に見てほしい」と話している。 特別公開は5月6日まで。入館料は一般300円、小中学生150円。4月29日に金沢文庫の主任学芸員が講演する。聴講申し込みは4月6日から市博物館(電話0266・52・7080)で受け付ける。(長野県、信濃毎日新聞社)
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