国際交通安全学会(東京)は、優れた交通社会の実現に貢献した業績などを顕彰する本年度の「国際交通安全学会賞」の業績部門に飯田市を選んだ。中心市街地が焼けた1947(昭和22)年の「飯田大火」からの復興で始まった住民主体のまちづくりを継承し、信号機を使わない円形交差点「ラウンドアバウト」も整備したことなどが評価された。 復興に伴い設けられた防火帯に、市飯田東中学校の生徒たちによって「りんご並木」が整備され、その北の延長には桜並木が設けられた。その後、桜並木の吾妻町ロータリー交差点については、ロータリー機能の存続を望む住民の声も受けて市はラウンドアバウトとして整備した。 受賞理由では、吾妻町交差点での取り組みが、東日本大震災で多くの信号機が機能しなかった教訓を踏まえ、ラウンドアバウトの必要性を社会に広く示したとしている。 同賞は1979(昭和54)年度に始まった。本年度は大学教授ら6人でつくる企画委員会が選考。委員長を務めた日本大学理工学部の福田敦教授は「吾妻町ロータリーをラウンドアバウトとして整備するなど、住民の要望に応じた市の取り組みを評価した」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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