上伊那郡宮田村議会は3月定例会最終日の17日、「宮田村みやだワインで乾杯条例」案を可決した。ヤマブドウと赤ワイン用ブドウを交配した「ヤマソービニオン」で造る村特産ワイン「紫輝(しき)」の消費拡大が狙い。村とブドウ農家、ワイン製造者や販売者、消費者が一体となり、ワインで乾杯する習慣の定着を目指す。 ワインによる乾杯を促進する取り組みに村民の協力を求める条文などを盛った。提案した城倉栄治・産業文教委員長は「村民一人一人がワインの営業マンとなり、村外にもPRしてほしい」とする。 紫輝は1999年にブドウの栽培とワイン醸造が始まった。村内の農家や商工団体、村などでつくる「中央アルプス山ぶどうの里づくり推進会議」が特産化を進め、農家10軒ほどが栽培。村内の本坊酒造信州マルス蒸留所で醸造している。昨年は720ミリリットル瓶で6千本余を生産した。 毎年12月に新酒を味わうワイン祭りを開催。村はワイン文化を根付かせようと、ワインの特性や醸造法などを学ぶセミナーを2008年度に始め、修了者を「ワイン大使」に任命している。昨年12月には初の「ワインで乾杯宣言月間」を設け、飲食店など村内19店が紫輝を割安で提供した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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