1954(昭和29)年の第26回選抜高校野球大会で初優勝した飯田市の飯田長姫高校(現飯田OIDE長姫高校)の当時の野球部員ら約20人が、優勝から60年の節目に合わせ、21日に第86回選抜大会が開幕する阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)のスタンドで「同窓会」を開く。全国制覇を果たした思い出の地で、旧交を温める計画だ。 同窓会は大会優勝投手の光沢毅さん(77)=諏訪市=らが発案。当時の出場メンバー5人や後輩の同校野球部OB、知人らが23、24日に球場を訪れ、試合も観戦する。長姫高校に残る優勝旗のレプリカも持参する予定という。 光沢さんは身長160センチに満たない体で選抜の4試合を1人で投げ抜き、通算1失点と大活躍。「小さな大投手」と呼ばれた。明治大や諏訪郡下諏訪町の三協精機(現日本電産サンキョー)で選手として活躍、両野球部の監督も務めた。87年に交通事故で重傷を負い、両目を失明した。 光沢さんが当時のメンバーと会うのは十数年ぶり。「既に他界したメンバーもおり、長姫高の名も高校統合で変わった。優勝から60年を一つの区切りに甲子園で集まろうと考えた」と話す。 右翼手として選抜に出場した久保田卓男さん(77)=飯田市=は「当時のことを知っている人も少なくなった。メンバーはみんな年を取り、元気に再会できることだけが楽しみ」と心待ちにしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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