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茅野「仮面の女神」国宝に 「縄文土偶造形の頂点」

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 文化審議会(宮田亮平会長)は18日、茅野市の中ッ原(なかっぱら)遺跡で2000年に出土した縄文土偶(通称「仮面の女神」)を国宝に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。考古学的価値に加え、美術的な評価が高く「縄文時代の土偶造形の頂点に位置付けられる」と評された。近く答申通り指定される。県内では同市から出土し、1995年に指定を受けた土偶(通称「縄文のビーナス」)以来、19年ぶり8件目の国宝誕生となる。  茅野市尖石(とがりいし)縄文考古館が所蔵する仮面の女神は、縄文時代後期前半(約4千年前)の集落跡から出土。高さ34センチ、重さ2・7キロの立像で、縄文土偶の中では大型の部類だ。逆三角形の仮面を着けた顔や妊娠を示すような腹の膨らみが特徴で、随所に洗練された抽象表現が見られる。胴と腕には幾何学模様がある。  集落中央の墓地とみられる土坑の底に横たわった状態で見つかり、人為的に壊されたとみられる右脚以外はほぼ完全な形が残っていた。土偶は貝塚などから破片で出土する例が多く、埋納状況や集落内での位置が明確な例はまれ。「出土状況を示す緻密なデータがある第一級の資料」(文化庁美術学芸課)とされた。  06年6月に国の重要文化財に指定され、09年にはロンドンの大英博物館に展示。国内外での展示を通じ、日本の原始文化の評価を高めたことも国宝指定の背景となった。  縄文土偶では、初の国宝となった縄文のビーナスのほか、北海道函館市出土の通称「中空(ちゅうくう)土偶」などが指定されている。  仮面の女神は現在、文化庁が保管しており、4月22日から5月11日まで東京国立博物館で開く「新指定国宝・重要文化財展」で展示される。茅野市尖石縄文考古館に戻るのは5月下旬以降の見込み。同館は3月19日から、仮面の女神のレプリカや一緒に出土した土器などを展示する特別展を開く。(長野県、信濃毎日新聞社)


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