3連休初日の21日、4月1日に消費税率が5%から8%に引き上げられるのを前に、県内の小売店は駆け込み客でにぎわった。生活必需品のほか、増税の影響額が大きい家具や家電といった高額な耐久消費財、納車までの手続きに時間がかかる自動車の販売にも動きがあった。 1月にオープンした東京インテリア家具(東京)の松本店(松本市南松本)には3月に入りそれまでの約1・5倍の買い物客が訪れている。 21日に訪れた松本市の主婦(32)は「増税前にと思って家を建てた。できれば家具一式も3月中にそろえたい」。 諏訪市の会社員の女性(25)はダイニングテーブルの購入に訪れ、「20万円ぐらいまでで見つけたい。高価で3%の違いは大きい」と話した。 長野市内の中古車販売店で21日、約40万円の軽自動車を契約した同市の40代の女性会社員は「8月に車検があり、買い換えようと思っていた。大きな買い物なので、消費税率が5%の3月の間に買おうと思っていた」。 同店は店頭ポスターで「増税前のラストチャンス」とPR。客には消費税率5%で中古車を購入したい場合、遅くとも23日までに契約しないと間に合わないと説明。ただ、店長は「大きな買い物なのでじっくり考えたいという客もいる」と話した。 家電販売などのノジマ(横浜市)の豊科店(安曇野市)には21日、洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどを選ぶ人が多く訪れた。プリンターのインクカートリッジのまとめ買いも目立った。この日購入した市内の主婦(64)は「最低限の買い置きをしておきたい」。店長は「この3連休が駆け込みの最後のヤマ場だろう」と話した。 長野市稲里町の大型店では、飲料水やカップラーメンなどを箱ごとまとめ買いする客が目立った。家族と訪れた同市篠ノ井の中沢さやかさん(41)は「いずれ買おうと思っていたものを増税前に買っている」と言い、この日だけで数店を回り、自転車店で夫の自転車約4万円を購入したほか、靴店で子どもの靴も買った。 一方で冷静に見つめる人の姿も。夫と子どもと家族4人暮らしの同市青木島町の40代女性はこの日、この大型店で牛乳など普段と同じ日用品のみを購入した。「生活必需品は増税後も店側の工夫などですぐには値上がりしないのではないか」と推測していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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