飯田長姫(現飯田OIDE長姫)高校が1954(昭和29)年の第26回選抜高校野球大会で初優勝した当時の野球部員ら約20人が23日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に集まって第86回大会の試合を観戦した。歓声が響く球場の雰囲気に当時の思い出を重ね、懐かしんだ。 エースとして初出場の同校を優勝に導いた光沢毅さん(77)=諏訪市=らが、優勝から60年の節目に合わせて企画した。右翼手だった久保田卓男さん(77)=飯田市、マネジャーだった滝戸一市さん(77)=同=ら4人と、近い年代のOBらが集合。優勝を決めた時と同じ一塁側の内野席に座り、球場の雰囲気を楽しんだ。校名の入った優勝旗のレプリカも掲げた。 身長160センチに満たない体格の光沢さんは1人で4試合を投げ抜き、通算1失点の活躍だった。87年に交通事故で両目を失明したが、「歓声や拍手など雰囲気は変わらない」と感激。久保田さんは「九州や四国の有名校と比べると体格では全然かなわなかった。強豪校に立ち向かう無名校を観客が声援で後押ししてくれた」と振り返った。 光沢さんは、25日の東海大三高校(茅野市)と新庄高校(広島県)の試合にも訪れる予定。「冬場に練習ができない県内の高校にとって選抜大会は厳しい。相手に負けない強い気持ちで臨んでほしい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧