2月の大雪で農業施設に大きな被害の出た諏訪郡富士見町で24日、ビニールハウス内から出火、ハウス約200平方メートルを焼く火事があった。茅野署の調べだと、雪の重みでへこんだ天井部のビニールに水がたまり、レンズのように太陽光を集め、ハウス内の可燃物に着火した「収れん火災」の可能性が高い。県内には壊れたビニールハウスが多数あり、富士見消防署などは注意を呼び掛けている。 同日午後0時40分ごろ、富士見町立沢の花苗・野菜苗生産会社「H&Lプランテーション」のハウスから煙が出ているのを男性従業員が発見、消防に通報した。火は約50分後に消し止められたが、ハウスを半焼した。 同社によると、ハウス内ではラベンダーの苗を育てていたが、2月の大雪で鉄骨の枠組みがゆがみ、中央部が大きくへこんで使えなくなり、倒壊の危険性があるため立ち入り禁止にしていた。 茅野署によると、ハウス内には苗のほか、紙製の商品ラベル数十万枚が箱に入れたまま置いてあり、この周辺が激しく燃えていたという。ハウスへの電気は止めてあり、ほかに火の気もなかったことから、同署は収れん火災が起きたとみている。 火災の原因研究などが専門の須川修身(おさみ)・諏訪東京理科大学(茅野市)教授は「同様の火災を防ぐためにはハウスの天井部に水がたまらないようにするしかない」として、ビニールに穴を開けたり横に水を落としたりする必要があると指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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