信州大(本部・松本市)は25日、松本キャンパスの卒業式を松本市のキッセイ文化ホール(県松本文化会館)で開いた。人文、理、経済、医の4学部の計834人が卒業、大学院の計168人が修了した。会場の外では、待ち受けた後輩たちが、着物やスーツ姿の卒業生らを胴上げしたり花束を贈ったりして祝福した。 山沢清人学長は式で「リーダーとなるべき人は、常に人と社会の持続可能性と、それを守るための責任を強く自覚しなければならない」と強調。「自分の知識や仕事、生きざまが、人間全体、社会全体、歴史の中でどんな位置にあるか常に考えてほしい」と激励した。 医学部保健学科を卒業し、出身地の三重県内の病院に臨床検査技師として就職する山本麻瑚(まこ)さん(22)は「技師は患者さんの前に出ることは少ないが、検体をしっかり見て異常を見つけ、医療に貢献したい」と話した。理学部物理科学科を卒業し、出身地の新潟県で警察官になる大田啓(ひろむ)さん(22)は「合唱サークルで仲間のさまざまな価値観を共有して互いを思いやることを学んだ。社会に出るのは不安もあるが、大学で培ったことを生かして地域や人のために役立ちたい」と抱負を語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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