駒ケ根工業高校(駒ケ根市)機械科3年の加藤貴之君(18)=伊那市=が、汗ばむ指にキーの間から微風を送るパソコンのキーボードを考案し、第72回全日本学生児童発明くふう展で最高賞に次ぐ特別賞に選ばれた。27日に都内で表彰式がある。4月から地元で製造業の会社に勤める加藤君は「高校生活で学んだ技術や発想を社会で生かしたい」と意気込んでいる。 考案した「エアフローキーボードWind Touch(ウインドタッチ)」は、市販のキーボード内部に小型ファンを2個設置。キーとキーの間に数十個開けた直径数ミリの穴から風を送る仕組みだ。スイッチ操作により、長時間のキーボード操作で指が汗ばんだ時に風を送る。 授業や自宅で夏場にパソコンを使う際、手が汗ばんで作業効率が下がるのを解消したいと思ったのが製作のきっかけという。知的財産権を学ぶ選択授業で作り始め、夏休みも使って昨年9月に完成。昨年の「第40回県発明くふう展」高校生の部で、発明協会会長奨励賞を受けた。 特別賞について「地道な作業を繰り返した作品で賞を取れてうれしい」と加藤君。「工業高校ならではの授業で学べたことがたくさんある。高校生活の良い思い出になった」と話している。 全日本の発明くふう展は公益社団法人発明協会(東京)の主催。都道府県の発明協会などが推薦した小中学生、高校生の782件から、特別賞には13件を選んだ。県内では加藤君だけ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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