縄文土偶「仮面の女神」の国宝指定答申も生かし、縄文をテーマにしたまちづくりを進める茅野市は26日、縄文文化の発信につながる新商品の審査会を市役所で開いた。縄文期から続く生命のつながりを表現した指輪「縄文メビウス」を、開発費の補助対象にすると決めた。 指輪は、茅野市宮川の1級貴金属装身具製作技能士、伊藤正博さん(62)が制作。表と裏がつながった「メビウスの輪」のような形が最大の特徴だ。縄文人が生活を営んだ円状の集落のイメージも込めているという。 3次元CAD(コンピューター利用の設計)を使って複雑なデザインを実現。表面には「JOMONMEBIUS」の文字を刻んだ。 銀製で定価は1万5千円(税抜き)。男女とも使えるよう10サイズを用意し、伊藤さんが経営する同市宮川の宝石店「ハーツアートジュエリー」で売っている。将来は「仮面の女神」や、やはり国宝の土偶「縄文のビーナス」を所蔵する市尖石縄文考古館(豊平)などで販売することも構想している。 伊藤さんは「これからも縄文人の精神や魂を受け継いだものづくりをしていきたい」と話していた。 市は2010年度から縄文関連商品の開発支援事業を開始。これまで仮面の女神をかたどった携帯電話用ストラップなど6商品を対象に、開発費用の半額以内、上限50万円を補助している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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