北アルプス上高地に入る前に自然保護の心構えなどを学んでもらう施設として、環境省が昨年4月から本格運用している松本市安曇の「沢渡ナショナルパークゲート」に入山者を集める「ループバス」について、予定していた2015年度中の運行が難しくなっていることが27日、分かった。 環境省は、上高地に向かう人をゲート周辺の駐車場を巡回するループバスでゲートに集め、学んでもらう方針。ゲートからは、シャトルバスで上高地に向かうシステムを構築する予定だった。ループバスは回転場所が確保できないことや、運行主体が決まらないことなどから、運行のめどが立たないという。 今季はゲート近くの駐車場にマイカーやバスを止め、ゲートでシャトルバスに乗る人にはゲートで学んでもらう。それ以外の停留所でシャトルバスに乗る人には車内でアナウンスを流し、上高地で守るべきマナーなどを伝える。 同省の担当者は「ループバスで、できるだけ多くの人にゲートを利用してもらう構想は捨てていない」としている。ゲートは、国立公園に入る前に環境保護のマナーなどを学ぶ全国初の試み。「野生動物に餌を与えない」といったマナーを伝える映像やパネルを見てもらう。(長野県、信濃毎日新聞社)
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