10代の若者が妊娠、出産について考える第2回「いのちのスクール」(信濃毎日新聞社主催)は27日、長野市の丸山産婦人科医院で開かれた。県内の中高生や短大生20人が参加。「予期しない妊娠」をテーマに、対等な男女の関わりの大切さや難しさを話し合った。 同医院の医師渡辺智子さん(46)が、毎月の診察例からも10代の妊娠は身近な話だと紹介。人間は生殖以外にも、愛、快楽、支配、暴力などさまざまな意味を性行為に持たせる存在だとし、性行為が幸せな体験になるには、女性がいつ産みたいのかを常に考え、避妊方法を知り、パートナーと対等に話し合える関係が大切だと強調した。 「どんなに好きでも、妊娠を望まない女性に避妊せずにする性交は暴力」とも指摘し、会場からは「血を流すなどの行為以外にも暴力があると知った」との感想も聞かれた。 参加者は、分娩(ぶんべん)台と人工妊娠中絶も行う手術台のそれぞれに乗って緊張感の違いを体感。2人1組でカップルを演じ、性行為を誘ったり断ったりする実習にも挑戦し、「断ったら罪悪感があるかも」「性行為だけが愛じゃないと分かってもらうにはどうするか」などと語り合っていた。 諏訪赤十字病院(諏訪市)での第1回(2月2日)にも参加した田中琴美さん(18)=諏訪市=は「好きな人との体験を大切にしたいと思う参加者が多かった。だからこそ妊娠の可能性までちゃんと考えないといけない」。初参加の楢本杏さん(16)=長野市=は「避妊方法も知らなかったし、妊娠も全然意識したことがなかったけれど、真剣に考えないと」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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