「合併後の8年間、積み重ねた実績を市民に評価していただいた。やってきたことに間違いはなかった」。現職と新人の一騎打ちとなった30日投開票の上田市長選。3選を果たした母袋創一さん(61)=下塩尻=は中央東の選挙事務所で、詰め掛けた支持者ら約100人に決意を語った。 午後9時16分、SBCテレビの信毎開票速報が「当選確実」を伝えると、事務所内で大きな拍手が起こり、支持者らは手を取り合って喜んだ。間もなく現れた母袋さんは、「おめでとう」「良かった」と声を掛ける支持者と順に握手して壇上へ。万歳三唱で祝い、花束を渡されると高々と掲げて喜んだ。 「未来の上田を築くことに大きな思いを寄せて取り組みたい」とあいさつ。報道機関の取材には、「社会保障の充実とまちづくりに力を入れる」と強調。具体的には、上田地域広域連合(上田市長が連合長)が上田市常磐城で計画する統合ごみ処理施設の建設、地域内分権の確立、学校の耐震化、外国人観光客の誘客などを挙げた。 「私の力不足だった。上田市民が下した判断。気落ちはしていない」。前共産党市議の新人金井忠一さん(63)=国分=は午後10時50分ごろ、中央3の事務所で支持者約20人に敗戦の弁を述べた。「(統合ごみ処理施設建設の進め方など)訴えた一つ一つの政策は、必ず今後の市政に生きると思う。一市民に戻るが、地域や市政の発展のために力を尽くしたい」と頭を下げた。取材に対し、市長選への再挑戦は「冷静になってから考えたい」と語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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