上田市武石の地域スポーツクラブ　元職員、５５万円着服か

　上田市武石地域の総合型地域スポーツクラブ「たけしスポーツクラブ」で使途不明金が判明し、クラブに対して会計担当の女性職員が着服を認めたことが２日、分かった。職員は既に退職し、これまで複数回に分けて約４０万円を弁済したという。クラブは着服総額が５５万円ほどに上るとみて、着服の経緯とともに調べている。 　クラブの上野正司（まさじ）会長（６５）は責任を取って３月２５日付で辞任した。クラブは今月１日に「武石スポーツ協会」に名称を変更。上田市体育協会に統合する予定だったが、問題発覚を受けて統合は見送られた。市体協は役員や会計管理の見直しを求めており、体制が整い次第、統合する予定としている。 　総合型地域スポーツクラブは住民が主体的に運営する組織で、武石地域では２００６年に発足。武石公民館と武石体育館に事務局を置き、上田市から同体育館の管理やスポーツ教室開催などの事業を委託されていた。 　上野前会長によると、元職員は唯一の常勤職員として昨年４月に勤め始め、通帳と印鑑を管理していた。今年１月ごろ、理事らが求めたのに理由を付けて通帳を見せるのを拒むなどしたため、２月から理事数人が通帳や領収書を調べて不明金の存在が分かった。 　元職員はクラブに対し、いくら着服したか覚えていないとし、「使い込んだのは間違いない。全て返す。申し訳ないことをした」と話しているという。 　クラブの会員は子どもを含め約５００人。入会金（一般２千円）や年会費（同３千円）で運営しており、１２、１３年度は市の補助金計１００万円を受けて運動会などを開いた。 　上野前会長は「責任は全て私にあり、会員におわびしたい。不明金の総額などを早急に明らかにしたい」とし、警察への告訴などについては「総額が判明してから決める」と話している。（長野県、信濃毎日新聞社）