飯山市は3日、「ふるさと納税」を通じて市に10万円以上寄付した人に対する特典で、新たに市内で人間ドックと森林セラピー体験を組み合わせたツアーを設けた。2015年3月予定の北陸新幹線(長野経由)飯山駅開業を見据え、新駅から徒歩3分の場所に飯山赤十字病院があることや市内の豊かな自然を活用。市によると、ふるさと納税の特典に人間ドックを加えるのは全国的にも珍しいという。 ツアーは5~11月の間に1泊2日の日程で行う。初日は同病院で人間ドックを受け、斑尾高原、なべくら高原、北竜湖のいずれかの宿泊施設に宿泊。翌日は宿泊地近くで希望する森林セラピー(森林散策、森林ヨガ、ノルディックウオーキング)を体験する。その後、病院に戻り人間ドックの結果を聞く。 人間ドックと森林セラピーを組み合わせたツアーは12年度、飯山市の一般社団法人「信州いいやま観光局」が同病院と連携して1人5万4100円の価格で商品化し、昨年度は5人が利用。同病院の古川賢一院長は「森林セラピーにはストレスや疲労の緩和、免疫機能の向上といった効果がある」とする。 飯山市のふるさと納税による寄付件数は08年度以降、100件未満で推移。市が昨年8月、観光、農業の振興に結び付けるため寄付金額の7割前後を目安に、地元産のコメや市内施設の宿泊券、特産品を贈ることにしたところ、13年度は2378件に急増した=グラフ。 特に新幹線飯山駅に市が併設する「都市施設」に寄付者名を刻印する10万円以上の寄付は計247人に上った。全体の寄付総額も7044万円余に増加。個人(1人)から1億円の寄付があり、寄付総額が1億993万円に達した08年度に次ぐ金額となった。 市は今回、10万円以上の寄付者の新たな特典で、市内宿泊券5万円分か、人間ドックと森林セラピー体験を選べるようにした。足立正則市長は「特典の拡充が、飯山を訪れてもらうきっかけになればいい」と期待している。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧